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今、マンション建築現場で問題になっていること

シートラッピング枠の傷補修

現在、分譲マンションの窓枠、ドア枠にはほとんどの場合、プラスチックシートをラッピングした枠材
(以下シートラッピング材と略します)が使われています。
ラッピング材は枠材を取り付けた後の塗装工程を省いた点で、コスト削減と工期短縮に貢献しました。
シートメーカーの度重なる改良もあり、見栄えもよくなりましたし、柄の種類も増えました。
また、脱塩ビ化が進み、燃焼時に有毒ガスを出すこともなくなりました。
マンションのコスト削減を考えるときに、シートラッピング材は優等生と思われているようですね。

しかし、現在のマンション建築現場では、シートラッピング材は必ずしも安くなくなりました。
むしろ木材で作った枠よりも高くなるケースが続発しています。
それは、莫大な補修費がかかるからです。

マンション新築現場では、度重なる「検査」があります。
下請け業者さんの自主検査
元請ゼネコンさんの検査
デベロッパーさんの施主検査
入居者による内覧会検査
入居者による再内覧会検査
度重なる検査の度に、シートラッピング材についた傷を補修するよう、指示されます。

シートラッピング材は簡単に傷がつきます。一つの部屋に多くの業者さんが出入りする
現在のマンション建築現場では、誰がつけた傷なのか、わかりません。
しかし、シートラッピング材の傷は簡単には直りません。
ほとんどの大工さんにはシートラッピング材の傷を直すことができず、
専門の補修業者さんに補修を依頼することになります。
この補修費用がとにかく高額なのです。
一つの現場で100万円を超えることは珍しくなく、中には162戸のマンションで
補修費用だけで300万円かかったという話もあります。

シートラッピング材の傷の補修は、入居後も1年瑕疵点検、2年瑕疵点検と続きます。
中には、明らかに入居者がつけた傷にもかかわらず、補修を要求する
入居者の方もいらっしゃるようです。

補修代を考えると、シートラッピング材はかえって高いものになっています。
もちろん、デベロッパーさんは補修費を支払いません。
施工を請け負ったゼネコンさんと、下請けの業者さんが補修費を負担することになります。
ゼネコンさんと下請け業者さんの力関係があり、下請け業者さんが
補修費を負担するのが通例になっています。(そうでないところもありますが)
実際には、枠の取り付けを担当した下請けの木工事業者さんが、
ゼネコンさんから補修費負担を要求されます。
自分たちがつけた傷でもないのに、木工事業者さんは補修費を
負担させられていることがほとんどです。

シートラッピング材を使う=下請け業者さんが補修費負担で泣く
とお考えください。

最近では、シートラッピング材の補修費負担を避けるために、ゼネコンさんから木工事業者さんに
シートラッピング材の材料支給をするケースが出てきました。この場合、補修費の費用負担は
(ゼネコンさんによって違いますが)工事を担当した各下請け業者さんたちに
割り振られるケースが多いです。
いずれにしても、泣くのは下請け業者さんで、ゼネコンさんやデベロッパーさんではありません。

デベロッパーさんとしては、入居者の方に引き渡すときには傷のないきれいな建物を供給したいと
思うのは当然だと思います。しかし、シートラッピング材を使う限り、施工中に必ず傷がつきます。
そして莫大な補修費がかかります。コストが高くなって、機能の劣るシートラッピング材はそろそろ
考え直したほうが良いのではないでしょうか?

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参考図書
「住まいの複合汚染」能登春男・あきこ著 三一書房
「住宅が体をむしばむ」反農薬東京グループ
「木造住宅の実力」日経ホーム出版社
「すばらしい木の世界」日本木材学会編 海青社
「木を学ぶ 木に学ぶ」佐道  建著 海青社
「あなたも化学物質過敏症?」石川哲、宮田幹夫著 農山漁村文化協会
「住まいにひそむ農薬がわかる本」学陽書房 小若順一・槌田博編著
「新しい木質建材」日刊木材新聞社
「エコロジー建築」エコテスト・マガジン編 青土社
「エコマテリアルとしての木材」有馬孝禮著 全日本建築士会
「化学物質過敏症ってどんな病気」石川哲著 合同出版

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参考ビデオ
「見直そう!身の回りの化学物質」東京都消費者センター
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用語解説
MDF(Medium Density Fiberboard) 中比重木質繊維板
木材を主な原料として、これを繊維化してから成形した板状の製品。
空気流を媒体として成形する乾式法で製造される。
使用例:塩ビ材の芯、合板の代替品等。
長所:価格が安い。成形がしやすいのでどんな形でも製作できる。
短所:接着剤に繊維間の結合力を依存しているため、接着剤の使用量が多い。
木口面に釘を打つと割れる。
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LVL(Laminated Veneer Lumber) 単板積層材
JAS(日本農林規格)ではLVLを下記のように定義している。
「単板積層材とはロータリーレース又はスライサー等により切削した単板を主として
その繊維方向を互いにほぼ平行にして、積層接着した一般材をいう」
(ロータリーレースは「かつらむき」と同じと考えて頂ければわかりやすいでしょう)
合板が単板を交互に直交させるのに対して、LVLは単板を平行方向に積層接着したもの。
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ホルムアルデヒド
接着剤の原料。刺激臭のある無色の気体で、水によく溶ける。この37%水溶液
がホルマリンで、殺菌防臭剤としても広く使われている。
ホルムアルデヒドが含まれる接着剤は、加熱、加圧して接着効果が高まるものが多い
ので、合板の接着剤に多く使われている。
ホルムアルデヒドの毒性は、人体影響として0.1ppm程度から刺激臭が感じられて、
4ppmで不快感・目鼻喉の刺激、50ppmでは皮膚や肺に炎症ができ、100ppm以上
で死亡すると言われている。
慢性的にも皮膚ガン、肝臓ガン、前立腺ガン、膀胱ガンなどになる発ガン物質である。
日本では労働作業環境として0.5ppmという産業衛生学会の勧告値と、東京都の
都立学校の環境衛生基準として0.1ppmという推奨値があるが、一般住居用に適用
される基準はない。
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DOP(ジオクチルフタレート)
フタル酸系の可塑剤。ポリ塩化ビニール製品等に成形加工を改良し、柔軟性を
持たせるために添加される。
多くの場合、DEHP( ジ-2-エチルヘキシルフタート)のことをいう。
生殖毒性として、雄のラットへのDOP投与でコウ丸萎縮がみられ、雌への投与
では胎仔死亡や催奇形性がみられた。ラット及びマウスを用いた発癌性試験では
肝細胞ガンが発現することがわかっている。
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TCP(トリクレジルホスフェート、リン酸クレジル)
難燃効果のある可塑剤としてポリ塩化ビニールに添加される有機リン系の薬剤。
中毒になると有機リン系殺虫剤の場合とよく似た症状を呈する。
経口摂取では、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの症状がでた後、10日~20日の潜伏
期をおいて、下肢脱力感、異常感覚などの神経症状を示し、ひどくなると手指の麻
痺、運動麻痺もおこる。末梢神経や脊髄白質に変性がみられ、後遺症が残る場合も
ある。TCPを製造する工場でも職業性の中毒がでており、皮膚からの吸収につい
ても、注意する必要がある。
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TCEP(トリス(2-クロロエチル)
ホスフェート、リン酸トリ-2-クロロエチル)可塑効果もある難撚剤として、ポリ塩化ビニール製品に配合されることがある。
発ガン性があるとされ、実際に壁紙から出て室内を汚染していることがわかっている。
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シーラー
下地処理用の塗料。木材に塗装する場合、表面から塗料を吸収してしまうため、
最初から上塗り用塗料(トップコート)を使用することができない。
そのためにシーラーを塗装して、材料が上塗り用塗料を吸収しないように下地をつくる。
通常有機溶剤入りのサンディングシーラーか水性のシーラーが使用される。
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投稿者 無垢材・造作材の木村木材工業 :2005年06月02日

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